皆さん、甘い焼き芋はお好きですよね!でも「なぜ焼き芋が甘いのか」その理由をご存知でしょうか?
実はさつまいもをただ焼くだけでは甘くならないのです。焼き芋が甘くおいしくなるためには「熟成」「酵素」「品種」の大きな3つの理由があります。
その理由を知って、甘くておいしい焼き芋を楽しみましょう!
目次
1.さつまいもを焼き芋にすると甘くなる3つの理由
1-1.熟成貯蔵で甘くなる
実は、収穫したばかりのさつまいもはあまり甘くありません!
収穫したさつまいもを冷暗所で約1カ月間ほど常温保存することで、さつまいもは熟成されより甘くなります。
掘りたてではなく熟成されたさつまいもを使うこと。これが甘い焼き芋にするために欠かせないポイントのひとつです!
家庭で熟成させるには、
- 土がついたまま半日~3日ほど陰干しして乾燥させる(水濡れ厳禁!)
- 1本1本新聞紙にくるんで段ボールに入れる
- 冷暗所(10~15℃がベスト)で1カ月ほど保管する
こうすることで、ご自宅でも簡単に追熟させることができます!
この方法はさつまいもを長持ちさせる保存方法でもあるので、覚えておいて損はないですよ。
1-2.β-アミラーゼの活性で甘くなる
さつまいもに含まれているβ-アミラーゼという酵素は、約70℃で一番活発に働き、さつまいものでんぷんを麦芽糖に変えて甘くしてくれます。
β-アミラーゼの活動が一番活発になる温度帯を時間をかけて通り過ぎると、酵素がより長く働き、多くのでんぷんが糖に変わって焼き芋が甘くなります!
焼き芋はβ-アミラーゼの活動が一番より活発になる約70℃の温度帯でじっくり焼くのがオススメです!
1-3.品種による糖度の違い
紅はるかや安納芋などは生の状態でも糖度が高い品種です。これらのさつまいもを焼き芋にすることで、「砂糖が入っているのでは!?」と疑うほどの甘さの焼き芋を味わうことができます。
しかしさつまいもには他にも、しっとり甘い品種やホクホクした美味しさの品種などいろいろな品種があります。
それぞれに違ったおいしさの特徴があるので、次の見出しでイチオシの品種を詳しくご紹介しますね。
2.甘さが特徴的なさつまいもの品種5選
2-1.紅はるか
甘さが特徴的な品種の代表格の紅はるか。
焼き芋にするとねっとり甘くなり、その糖度はなんと50~60度にもなります。これはほぼガムシロップの糖度と同じ。甘いと有名なあの安納芋を超えるともいわれています。
とにかくねっとり甘いスイーツのような焼き芋が好みの方には大変オススメです!
2-2.安納芋
甘いさつまいもと言えば、高い知名度を誇る安納芋。
こちらも焼き芋にすると、蜜があふれてねっとり甘くなります。糖度も紅はるかに近い40度ほどの糖度があり、甘くておいしいです!
さつまいもの多くは中身が黄色に近い色ですが、安納芋は中身がオレンジ色をしています。
2-3.シルクスイート
シルクスイートはしっとりとした上品な甘みと、ねっとりし過ぎないなめらかな舌触りが特長の品種。
あまりスーパーには出回っていないため、知名度はあまり高くありませんが近年注目されている品種です。ネットなら簡単に手に入ります。
上品な甘さとなめらかな舌触りの焼き芋を試してみたい方にオススメです!
2-4 紅あずま
王道の紅あずまは一番流通している品種で、特に関東で幅広く人気があります。
昔からよく食べられており、「焼き芋といえば紅あずま」をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
甘さでは上記の3品種にはかないませんが、ほどよい甘さとホクホクとした食感が特長で、焼き芋だけでなく料理にも向いている万能の品種です。
2-5 鳴門金時
鳴門金時は、徳島県を原産とし主に関西地方で幅広く食べられているさつまいもです。
東の紅あずまと並んで焼き芋の元祖とも言われる鳴門金時。
ねっとり系よりもホクホク系が好きという方におすすめです!こちらも天ぷらなどの料理にもピッタリです。
3.焼き芋の甘さが足りない時は?
さつまいもを焼き芋にして、いざ食べてみたらあんまり甘くなかった…という経験はありませんか?
そんなとき「もっと甘い方がよかったけれど仕方ない…」と諦めてしまう方も多いと思います。
でもちょっとした工夫であんまり甘くない焼き芋を救済できちゃうんです!
ここでは超簡単にイマイチ焼き芋をおいしくする方法をご紹介します!
3-1.バターorマーガリンをつける
じゃがバター、おいしいですよね。同じいも類のさつまいもなら、合わないわけがありません。
やはり焼き芋とバター(マーガリン)の相性は抜群!
バター(マーガリン)のいい感じの塩味がさつまいもとよく合います。
アツアツの焼き芋にバター(マーガリン)をつけて染み込ませる…。これだけでおいしさがレベルアップします!
3-2.アイスを添える
焼き芋にバニラアイスを添える食べ方がオススメ!
焼き芋のホクホク感に、バニラアイスのなめらかな甘みがマッチしてとてもおいしいです。ホカホカとひんやりの温度差も楽しいおやつにピッタリな組み合わせ。ぜひ試してくださいね!
3-3.チーズを乗せる
実は、焼き芋にチーズ(とろけるタイプ)を乗せて焼くと、これまたおいしくなります!
アツアツの焼き芋に乗せるだけなので気軽にできますよね。
チーズの塩気がさつまいもが持つ甘みを引き立たせてくれます。
3-4 はちみつをかける
純粋に甘みをプラスできるはちみつ。
普通の砂糖をかけるよりも断然オススメです。
はちみつは砂糖に比べ栄養価が高く、血糖値の上昇もゆるやか。また少ない量でも甘くなるので、摂取カロリーも少なくてすみます。
特に健康に気を付けている方やダイエット中の方にオススメの方法です!
4.市販のさつまいもで甘いものを選ぶためのポイント
4-1.皮の色が濃く、ツヤがある
皮の色が濃く、ツヤがあるものがGOOD!
健康に育ったおいしいさつまいもの証です。
ただ安納芋など、元々皮の色が薄い品種もあるので注意してください。
4-2 形が適度に太く、先に向かって細くなっている紡錘形(ぼうすいけい)のものを選ぶ
形は適度に太く、レモンのように先に向かって細くなっている紡錘形(ぼうすいけい)のものを選んでください。
そして持った時にずっしり重く、表面のくぼみが浅いさつまいもがオススメです!
安納芋の場合は、卵よりも一回り大きいくらいの大きすぎないものがGOOD。こちらもずっしりとした重みがあるものを選びましょう。
4-3 端の切り口で選ぶ
切り口に蜜が出ている・蜜が乾いて黒くなった跡があるものがオススメ。知らないと「汚れているのかな?」と思ってしまうかもしれません。
しかし蜜が出ているさつまいもは甘くておいしい証拠です!
5.甘い焼き芋を作る方法
おうちで簡単にできる甘い焼き芋の作り方をご紹介します。
甘い焼き芋は低温で長い時間かけてじっくり焼くことが最も重要。気長に待ちましょう!
5-1.オーブン|入れっぱなしで簡単
①さつまいもをアルミホイルで包み、160℃のオーブンで90分ほど焼きます。
②甘い香りがたち、竹串を刺せる柔らかさになったら甘くておいしい焼き芋の完成です!
5-2 電子レンジ|時間がないときの強い味方
①さつまいもを濡らしたペーパータオルで包み、その上からラップで包みます。
②それを電子レンジ(500W)で1分加熱した後、150Wで15分程度加熱して完成!
5-3 フライパン|香ばしさをプラス
①洗ったさつまいもを濡れたままアルミホイルに包み、フライパンに並べます。
②蓋をして弱火で20分、裏返して20分焼きます。
③甘い香りがして竹串が刺せる柔らかさになったらおいしい焼き芋の完成です!
まとめ
さつまいもの定番の食べ方「焼き芋」。この焼き芋が甘いのは当たり前ではありません。
熟成・酵素・品種のすべてがそろうことで、とっても甘くておいしい焼き芋になるのです。
紅はるかや安納芋、シルクスイートは他の品種に比べ、ねっとり・しっとりとした圧倒的な甘さを誇ります。しかし昔ながらの紅あずまや鳴門金時も、王道のホクホク感が楽しめ根強い人気です。
買うときに甘いさつまいもを見極め、できるだけ長時間じっくり焼くことでより甘い焼き芋ができあがります。
もしも作った焼き芋があまり甘くても、あきらめずに一工夫してみましょう。意外な発見があるかもしれません。
大人から子どもまで大好きな甘い焼き芋。甘さの理由やコツを知って、あなたの好みを見つけてみてくださいね!
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