さつまいもを育てていると、葉に穴が開いていたり、収穫したイモに虫食いの跡があったりして、びっくりすることがあります。
さつまいもは病害虫に強い野菜ですが、それでもいくつかの害虫が発生します。
代表的なのは、葉を食べる「エビガラスズメ」や「イモキバガ」、地中からイモを食べる「コガネムシの幼虫」などです。
見つけたら早めに駆除することが、被害を抑えるポイントです。
この記事では、さつまいもに発生しやすい害虫の種類、見分け方、駆除と予防の方法を順番に解説します。
1. さつまいもに発生しやすい主な害虫
さつまいもにつく害虫は、被害の場所によって大きく3つに分けられます。
| 被害の場所 | 主な害虫 | 見つけやすいサイン |
|---|---|---|
| 葉・茎 | エビガラスズメ、イモキバガ、ナカジロシタバ | 葉に穴が開く、葉がめくれている |
| イモ(地中) | コガネムシの幼虫、ケラ、ハリガネムシ | イモに穴や傷がある |
| 根・地中 | センチュウ類 | イモにコブや黒いヒビがある |
それぞれの害虫の特徴と対処法を見ていきましょう。
2. 葉を食べる害虫
葉を食べる害虫は、他の害虫と比べて見つけやすいです。代表的な3種類を紹介します。
2-1. エビガラスズメ

エビガラスズメは、スズメガの幼虫です。体長7〜8cmほどになる大型のイモムシで、尻尾に1本の突起があるのが特徴です。
葉を次々と食害するので、放っておくと葉がぼろぼろになってしまいます。
見つけたら、手でつまんで取り除きましょう。
昼間はつるの近くの土の中に隠れていることもあるので、葉の近くの地面もチェックしてください。
2-2. イモキバガ(イモコガ)の幼虫

イモキバガの幼虫は、小さなイモムシで、葉をくるくる巻いて、その中に潜んで食害します。
葉がめくれて糸で巻かれたようになっていたら、イモキバガが発生しているサインです。
めくれた葉ごと幼虫を取り除くか、葉を潰して駆除します。
2-3. ナカジロシタバ

ナカジロシタバはヤガ類の幼虫で、体長4〜5cmのイモムシです。
背中に黄色い筋があるのが特徴で、夜に活動して葉を食べます。
昼間は土の中や株元に隠れているので、葉の被害を見つけたら、株元の周りを掘ってみると見つかることがあります。
これらの葉を食べる害虫は、苗が小さいうちに発生すると被害が大きくなります。
苗が十分に育ってからであれば、多少葉を食べられても大きな問題にはなりにくいですが、数が増えると収穫量に影響するので、見つけたら早めに駆除しましょう。
3. イモを食べる害虫
地中にいる害虫は、収穫するまで気づきにくいのが厄介なポイントです。
3-1. コガネムシの幼虫

コガネムシの幼虫は、カブトムシの幼虫に似た白い虫で、地中でイモを食べます。食害されたイモは、表面に大きな傷がついてしまいます。
コガネムシは未熟な堆肥(分解が進んでいない有機物)に産卵しやすいので、土づくりのときに未熟な堆肥を入れないことが最大の予防策になります。堆肥を使うときは、しっかり完熟したものを選びましょう。
3-2. ケラ

ケラは体長3〜5cmの茶色い虫で、地中に潜んでイモに深い穴を開けて食害します。夜行性で、ライトに集まることもあります。
3-3. コメツキムシの幼虫(ハリガネムシ)

ハリガネムシはコメツキムシの幼虫で、体長2〜3cmの赤茶色の細い虫です。食害されたイモには、針金で刺したような小さな丸い穴が開きます。
4. 目に見えにくい「センチュウ」に注意

センチュウは、目で見えないほど小さな虫です。さつまいもに被害を起こす主なセンチュウは次の2つです。
- サツマイモネコブセンチュウ: 根に寄生してコブを作ります。イモには黒いヒビや黒い斑点、凹みが現れます
- ネグサレセンチュウ: 根に寄生して、つるの生育が衰えます
センチュウの被害は、イモを掘り上げるまで気づきにくいのが難しいところです。予防のポイントは次のとおりです。
- 完熟した堆肥をすき込む: 土の環境が整うとセンチュウの被害が出にくくなります
- 同じ場所での連作を避ける: 特に被害が出た畑では、翌年も同じ場所での栽培は避けましょう
- 道具を清潔に保つ: 土をつけたままの道具で、被害が他の畑に広がることもあります
5. 害虫の駆除方法
家庭菜園では、まずは手で取り除く駆除が基本です。
- イモムシ類(エビガラスズメ、ナカジロシタバなど): 見つけたら捕まえて取り除きます
- 葉を巻かれた葉(イモキバガ): 葉ごと取り除きます
- 数が多く手で対応できない場合: 園芸店で販売されている野菜用の殺虫剤を使います。使用するときは、製品のラベルに書かれた対象作物と使い方を必ず確認してください
6. 害虫を発生させない予防策
害虫の被害を減らすには、日頃の予防が大切です。
- 完熟堆肥を使う: 未熟な堆肥はコガネムシを呼び寄せます
- 水はけと日当たりを良くする: 高畝にして、風通しの良い環境を作ると病害虫が出にくくなります
- コンパニオンプランツを活用する: さつまいものそばに赤ジソを植えると、イモを食べる害虫(アカビロウドコガネ)を遠ざける効果が期待できます
- こまめに畑を見回る: 害虫は発生の早い段階で見つけて駆除するのが一番効果的です
さつまいもの病気については、次の記事でくわしく解説しています。害虫と合わせてチェックしておきましょう。
7. さつまいもの害虫に関するよくある質問
7-1. 葉を食べられても、さつまいもは育つ?
多少の葉の被害であれば、さつまいもは育ちます。ただし、苗が小さいうちに葉を大量に食べられると生育が遅れることがあります。葉に穴を見つけたら、害虫がいないか確認しましょう。
7-2. 収穫したイモに穴が開いていたのは害虫のせい?
可能性が高いです。大きな穴はケラやコガネムシの幼虫、小さな丸い穴はハリガネムシの食害の跡であることが多いです。被害部分を切り取れば食べられますが、翌年は完熟堆肥の使用や栽培場所の見直しで予防しましょう。
7-3. 農薬を使わずに害虫対策はできる?
手での駆除、防虫ネットの設置、完熟堆肥の使用、コンパニオンプランツ(赤ジソ)の活用など、農薬を使わない対策も可能です。ただし、被害が広がっている場合は、野菜用の殺虫剤の使用も検討しましょう。
まとめ
さつまいもの害虫対策のポイントをまとめます。
- 葉を食べる害虫はエビガラスズメ、イモキバガ、ナカジロシタバ。見つけたら手で駆除する
- イモを食べる害虫はコガネムシの幼虫、ケラ、ハリガネムシ。収穫まで気づきにくい
- 未熟な堆肥を入れず、完熟堆肥を使うことがイモを食べる害虫の最大の予防策
- センチュウ類は目に見えない。被害が出た畑では連作を避ける
- 予防の基本は「完熟堆肥・水はけ・見回り」
さつまいもは病害虫に強い野菜ですが、発生してからの対応が遅れると被害が広がります。こまめに畑を見回って、早めの駆除を心がけましょう。
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