さつまいもを食べるとき「皮」を捨てていませんか?多くの野菜や果物で皮をむくことは当たり前。でも、ちょっと待ってください!さつまいもの皮には栄養がたっぷりで捨てるのはもったいないんです!
さつまいもの皮には、実だけでは摂取できない腸の調子を整えてくれたり、抗酸化作用をもった栄養素がたくさん含まれています。
そこで今回はさつまいもの皮に注目して、
- 皮に含まれる栄養素とその効果
- こんな時は食べられない!皮の状態の見分け方
- 皮まで安心して食べられる正しい洗い方
- 皮までまるごと食べられるおすすめレシピ
これらをご紹介します!
目次
1.さつまいもの皮に多く含まれる栄養素と効果!
1-1. 抗酸化作用のあるアントシアニン
さつまいもの皮や、アヤムラサキなどの紫品種には赤ワインに含まれているポリフェノールの一種、アントシアニン色素が含まれています。アントシアニン色素は生活習慣病を引き起こす活性酸素の働きを抑制すること(抗酸化作用)が近年明らかになってきています。
1-2. 脂肪の吸収を抑え、抗酸化作用もあるクロロゲン酸
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、さつまいもの皮やコーヒー豆にも多く含まれています。
このクロロゲン酸は摂取すると、
- 脂肪の吸収が抑えられるダイエット効果
- 活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用
- 動脈硬化や糖尿病・ガンの予防
などの効果が期待できるということで、近年注目されています。
1-3. 腸の調子を整えてくれる食物繊維(実に含まれるヤラピンと相性◎)
食物繊維は根菜類に多く含まれる栄養素で、人が持つ消化酵素では分解することができないため、体内に吸収はされません。
食物繊維には2種類あり、
- 水に溶けやすい水溶性食物繊維は小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える
- 水に溶けにくい不溶性食物繊維は大腸を刺激し、排便をスムーズにすることで腸がきれいになる
それぞれ異なった働きをしてくれます。
さつまいもの皮は、この2種類の食物繊維を両方含んでいるのです。さらにヤラピンとの相乗効果で便秘解消に役立つことが期待できますよ!
ヤラピンとは、さつまいもを切った時に断面に染み出してくる白い液体。ほとんどが皮の近くに含まれていてさつまいもにだけ含まれる特有の成分!腸のぜん動運動を促進し、便をやわらかくしてくれます。
1-4. 体のミネラルのバランスを保つナトリウム
ナトリウムは、体のミネラルのバランスを保つために不可欠な栄養素!むくみの原因など悪い面で注目されることの多い栄養素でもあるので、適切な摂取量を意識しつつ付き合いを考えたいですね。
1-5. 皮膚の炎症を防止する効果のあるビタミンB(ビオチン)
ビオチンはきのこ類に多く含まれる栄養素で、皮膚の炎症を防止する効果が認められています。さつまいもの場合は実よりも皮のほうがビオチンを多く含んでいて、ビオチンが不足してしまうと、糖尿病のリスクが高まると言われています。
基本的に体内で作り出すことのできる栄養素だと言われているので、意識して摂取する必要がある栄養素とはいい難いですが、炎症を抑えてくれる効果は、肌トラブルの多い女子には嬉しいポイントですね。
1-6.カルシウム
骨を作る栄養素として知られるカルシウムですが、芋類の中でも特にさつまいもはカルシウムを多く含んでいます。
カルシウムは骨を作るというだけでなく、神経の伝達にも影響すると言われています。
番外編:皮にはビタミンCが多く含まれるは嘘?
りんごの約6倍ほどのビタミンCが含まれると言われるさつまいも。特に皮には多くのビタミンCが含まれると聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし文部科学省の食品成分データベースによると、皮付きの生のさつまいもと、皮むきの生のさつまいもはそれぞれ以下のデータになっています。
いも及びでん粉類/(さつまいも類)/さつまいも/塊根、皮つき、生
ビタミンC:25mg
いも及びでん粉類/(さつまいも類)/さつまいも/塊根、皮むき、生
ビタミンC:29mg
【食品成分データベース】
https://fooddb.mext.go.jp/
このデータを見ると、皮をむいている方がビタミンCが多く含まれていることがわかります。つまりビタミンCは皮に多く含まれているわけではないということです。
皮にビタミンCが多く含まれる、については嘘になりますが、さつまいも自体にビタミンCが多く含まれていることは事実と言えます。
2.こんな時のさつまいもの皮は食べちゃダメ!皮の状態の見分け方
2-1.皮の表面にカビがついている
皮の表面にカビがついている場合は要注意です。
カビがついている部分を洗い流して、変色している場合は傷んでいるので食べるのを避けましょう。
カビがついていても、その部分をよく洗って変色等なければ食べても問題ありません。
2-2.黒く大きく変色している
さつまいも自体が黒く大きく変色している部分は傷んでいる恐れがあるので、食べてはいけません。
変色している部分を触ってプニプニと柔らかい場合は腐っていますので食べないようにしましょう。
しかし、さつまいもは安心して食べられる変色(黒や緑など)を起こすことがあります。不安なときはこちらの記事も参考にしてみてくださいね!
2-3.蜜がつたったように黒くなっている
さつまいもの表面に蜜がつたったように黒くなっている部分があることがあります。それは、ツルを切った部分から染み出したヤラピンが皮の表面で固まっているものです。
食べられないわけではないのですが、中に砂が入って固まったりしている場合もあるので、その部分をそぎ落とすなどしてから食べるとよいでしょう。
しかし、この黒い蜜のあとがあるさつまいもは甘い証拠。購入するときには蜜のあとがあるさつまいもを積極的に選ぶと、おいしく食べられますよ!
3.さつまいもの正しい洗い方
栄養があるのは分かっていても、さつまいもの皮を食べるときに気になるのが衛生面ですよね。
ここでは衛生面に配慮した、正しいさつまいもの皮の洗い方をご紹介します。土や汚れをしっかりと洗浄してから食べるようにしましょう。
3-1.水につける
まず洗う前に10分程度水につけると、さつまいもについた砂や泥を浮かせることで洗いやすくなります。
3-2.流水で洗い流す
水につけておいたさつまいもの皮を、水で流しながら手でこすり洗いをすれば簡単に汚れを落とすことができます。
スポンジやアルミホイルでこすり洗いをする方法もありますが、栄養のある皮や実を余分にそぎ落してしまう恐れもあるので、手でのこすり洗いをおすすめします。
4.さつまいもの皮までおいしく食べられる!おすすめレシピ3選
さつまいもを皮まで美味しく食べられるレシピを3つご紹介します!ちなみに、おいも美腸研究所ではこちら以外にもさつまいもを使ったレシピをたくさん公開しています!ぜひこの機会に見てみてくださいね♪
4-1.ほくほく食感がたまらない|はちみつ大学いも
材料(4人分)
○さつまいも 2本
○揚げ油 適量
★砂糖 30g
★水 40ml
★みりん 大さじ3
★黒ごま 適量
手順
①さつまいもを食べやすいサイズに乱切りし、10分程度水にさらす。
②さつまいもの水気をしっかりと切り、180℃の油で5分~10分揚げる。
③★の材料を混ぜ合わせ、フライパンでとろみがついてくるまで中火で煮つめる。
④とろみがついたら、揚げたさつまいもをフライパンに入れて全体にタレを絡めたら出来上がり!
作り方のコツ
さつまいもはこんがりと揚げた方が美味しく仕上がります!
タレを作るときは焦げないよう、底を混ぜながら煮つめることがポイントです!
4-2.ほっこりやさしい味わい|さつまいもの甘露煮
材料
○さつまいも・・・1本
○しょうゆ・・・小さじ2
○砂糖・・・大さじ1と1/2
○水・・・300ml
手順
①さつまいもを1.5cmの厚さの輪切りにし、10分程度水にさらす。
②鍋に切ったさつまいもとしょうゆ、砂糖、水を入れて中火にかける。
③アルミホイルで落とし蓋をして、様子をみながら汁気が少なくなるまで煮詰める。
④汁気がなくなってきたら火を止めて、皿に盛り付ければ出来上がり!
作り方のコツ
鍋底に触れているさつまいもが焦げてしまわないように、たまに様子を見ながら混ぜることがポイント!
\さつまいもの甘露煮を写真付きで詳しく解説しているページはこちら/
4-3.ついつい食べ過ぎてしまう|さつまいもごはん
材料
○さつまいも・・・1本
○お米・・・2合
★白だし・・・大さじ1
★酒・・・大さじ1
★塩・・・小さじ1/2
○黒ごま・・・適量
手順
①さつまいもを1cm角に切り、10分程度水にさらした後、水を切っておく。
②炊飯器に研いだお米と通常炊く量の水を入れ、★の材料を入れる。
③表面を軽く混ぜ合わせ、さつまいもを入れたら普通の炊飯モードで炊く。
④炊き上がったら全体をさっくり混ぜ、茶碗に盛り黒ごまをふれば出来上がり!
作り方のコツ
白だしと酒を入れる分、水の量は気持ち少なめにするのがおすすめです!
お好みの炊き加減に合わせて、水の量を調整しましょう!
\さつまいもの炊き込みご飯を写真付きで詳しく解説しているページはこちら/
まとめ
さつまいもの皮には、
- ヤラピンや食物繊維
- アントシアニン色素
- クロロゲン酸
など実の部分だけでは摂ることのできない、身体にうれしい栄養がたくさん含まれています。
だからさつまいもの皮を食べずに捨てるなんてもったいないですよ!
傷んでいたり腐っていたりする場合に気を付けて、キレイに洗い、おいしく食べましょう!
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