
さつまいもに含まれる栄養素と聞いてみなさんは何が思いつきますか?
炭水化物、食物繊維、ビタミンCなどをイメージする人が多いのではないでしょうか?
実はさつまいもには鉄分も含まれています!
今回はさつまいもの鉄分とその効能についてお話していきたいと思います!
目次
1.さつまいもに含まれる鉄分量
1-1.鉄分とは
鉄分とは血液中の酸素の運搬などに関与しているヘモグロビンを構成している成分です。
鉄分は大まかに分けて2種類あります。動物性食品から摂れるものをヘム鉄、野菜などの植物性食品から摂れるものを非ヘム鉄と言います。
ヘム鉄はたんぱく質と結合した状態のまま体内に取り込まれるのに対し、非ヘム鉄はそのままの形では吸収されずに還元された後、体内に吸収されます。
鉄分の多い食材として代表的なのは動物性食品では牛肉や豚肉のレバーに多く、100gあたり9㎎含まれており、野菜ではパセリに多く含まれ7.5㎎含まれています。
1-2.さつまいもの鉄分量
さつまいも100gあたりには0.7㎎の鉄分が含まれています。
これは他のイモ類のじゃがいもや里芋が100gあたり0.4㎎しか含まれていないことを考えると同じ量を食べてもより多くの鉄分を吸収できることが分かりますね!
1-3.鉄分とビタミンC
植物性食品であるさつまいもに含まれる鉄分は動物性食品に含まれる鉄分に比べると体内への吸収が悪いといわれています。
しかしながら、植物性の鉄分もビタミンCと一緒に摂取することでその吸収を高めることが出来るといわれています。
さつまいもに含まれるビタミンCにも鉄分の吸収効率を高める作用があり、さつまいもと鉄分が豊富な食品を一緒に食べることでより効率的に鉄分を摂取することができます。
2.人間が1日に必要な鉄分量
2-1.性別、年齢によって1日に必要な鉄分量は違う
1日に必要な鉄分量は年齢により異なります。(参考値)
こども 5.0㎎
成長期男性 8.5~10.0㎎
成長期女性 10.0~14.0㎎
成人男性 7.0㎎
成人女性 10.5㎎
2-2.鉄分不足と過剰摂取
鉄分が不足すると血の巡りが悪くなり、体中の酸素が少なくなり疲れやすくなったり、冷え性になったりします。
特に思春期を迎えた後の女性は鉄分が欠乏しやすく、頭痛や体調不良の原因になったりします。
通常の食生活をする中で過剰摂取の心配はほとんどありませんが、妊婦の人は動物性食品の摂取による脂溶性のビタミンAの過剰摂取への注意が必要です。
3.鉄分を摂取することによる体への効果
3-1.貧血の予防・改善
鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になります。
貧血になると、体がだるい、顔色が悪い、すぐ疲れるというような症状が出てきます。
貧血予防には鉄分だけを補えばいいわけではなく、ヘモグロビンの構成成分であるたんぱく質も同時に摂取することが必要です。
また、赤血球の合成にはビタミン12や葉酸も必要なのでこの3つの栄養素も一緒に摂ることを心がけましょう。
3-2.疲労回復効果
疲労感を感じる原因は筋肉中の酸素を供給するミオグロビンが不足しているからです。
ミオグロビンが不足すると筋肉中に酸素が行きわたりにくくなり、疲労感や筋力の低下などの症状が出てきます。
そもそも、ミオグロビンとは吸収された鉄分が酸化されアポトランスフェリンというたんぱく質と結合してトランスフェリンとなり、体内に運ばれ、筋肉中の酸素を蓄えるミオグロビンの構成成分になります。
なので、鉄分を摂取することは酸素を体内に運搬・供給するだけではなく蓄える役割もあり、これが疲労回復&予防効果にもつながります。
3-3.筋肉機能の改善
筋肉は動かそうとするには、鉄が酸素と結びついて体の隅々まで酸素の供給が必要です。
しかし、スポーツにより鉄は損失します。
ランニングしたときの足の裏やバレーボールなどの体に衝撃を受けるスポーツでは赤血球の破損が起こります。
また、発汗によっても鉄は損失され筋肉のパフォーマンスが低下します。
なので、鉄分を補うことで先ほど記載したようにミオグロビンとなって筋肉へも酸素が行きわたりパフォーマンスが向上するという効果があります。
4.鉄分豊富なさつまいもレシピ5選
4-1.さつまいもと牛肉の酢豚風
鉄分を摂ると考えすぎるとレバーなどが思い浮かびますが、レバーは苦手な方も多いのではないでしょうか?
実は牛肉を食べるだけでも鉄分を摂取できるのです。
材料(2人分)
○牛かたまり肉・・・300g
☆醤油・・・大さじ1
☆お酒・・・大さじ1
☆ごま油・・・小さじ1
○片栗粉・・・適量
○さつまいも・・・1/3個
○玉ねぎ・・・1/2個
○りんご・・・1/4個
★酢・・・大さじ3
★醤油・・・大さじ3
★砂糖・・・大さじ3
★ケチャップ・・・大さじ2
★お酒・・・大さじ2
★みりん・・・大さじ1
★水・・・大さじ4
★片栗粉・・・大さじ1
作り方の手順
①牛肉を一口大に切り、☆と一緒にビニール袋に入れなじませる。
②具材をよく水で洗い、さつまいもは皮つきのまま一口大の乱切り、玉ねぎはくし切りにして、重ならないように耐熱容器に入れ、
500Wで3分電子レンジで加熱する。
③りんごを8等分にし皮つきのまま1cm厚さのいちょう切りにする。
④①に片栗粉を入れまんべんなくまぶす。
⑤フライパンに油を多めに入れて、④を揚げて油をきる。
⑥★を全て合わせ、よく混ぜておく。
⑦冷たいフライパンに⑥と牛肉と野菜、全ての具材を入れ、火をつける。よく混ぜながら中火で2~3分でとろみがついたら、完成!
作り方のコツ
具材とタレを混ぜ合わせる時には全体を素早くかき回し、タレよく絡ませるとおいしく出来上がります。
鉄分量としては、牛はヒレ肉や赤身肉を使うと鉄分アップが期待できます。
赤身肉は歯ごたえが強いので薄切り肉にすると食べやすいです!
4-2.さつまいもと牡蠣のクリームスープ
牡蠣とほうれん草は両方とも鉄分の多い食材として知られていますね!
動物性鉄分と植物性鉄分に鉄分が吸収されやすくしてくれる食材を組み合わせたレシピです!
材料(3人分)
○さつまいも・・・1/2本
○牡蠣・・・1パック(130g)
○ほうれん草・・・1/2束
○人参・・・1/2本
○玉ねぎ・・・1/2個
○白ワイン・・・大さじ2
○バター・・・5g
○市販のクリームシチューのルー・・・3かけ
○水・・・400ml
○牛乳・・・50ml
作り方の手順
①牡蠣は塩水(規定分量外)でよく洗い、白ワインで蒸し煮にしておく。
②さつまいもは皮ごとよく洗い1㎝角のサイコロ状に切る。にんじんは皮をむき1㎝角のサイコロ状に切る。玉ねぎは薄切りにしておく。ほうれん草は5㎝幅に切って塩ゆでしておく。
③厚手の鍋にバターを広げ、玉ねぎを炒め透明になってきたら人参とさつまいもを加えて全体にバターがなじむ程度に炒め、水を加えて煮る。
④沸騰してきたらいったん火を止め市販のルーを加えて溶かし、とろみが出るまで5分ほどに詰める。
⑤最後に牛乳とほうれん草、牡蠣を加えて5分ほど煮こめば出来上がり!
作り方のコツ
作ってからすぐに食べない場合は④まで仕上げておいて、食べる直前に⑤の工程をすることで再加熱の際に焦げにくくなるほか、
牡蠣の火の通りすぎが防げるのでおすすめです!
4-3.あさりとさつまいものミネストローネ
あさりは鉄分の多い食材として知られていますね!
そこに、ビタミン豊富なトマトを加えることでより吸収率を高めてくれます。
材料(3人分)
○あさり(殻付き)・・・150g
○さつまいも・・・1/2本
○玉ねぎ・・・1/2個
○人参・・・1/2個
★カットトマト缶・・・1缶
★水・・・200ml
★コンソメ・・・小さじ3
★ケチャップ・・・大さじ1
★中濃ソース・・・大さじ1/2
★砂糖・・・小さじ1
作り方の手順
①あさりは砂抜きして殻をよく洗っておく。さつまいもは皮ごとよく洗って1㎝角のサイコロ状に切る。にんじんは皮をむいてから1㎝角のサイコロ状に切る。玉ねぎは皮をむいて1㎝角に切る。
②中火で熱した鍋にサラダ油を加え、人参と玉ねぎをよく炒める。
③全体がよく炒めれたらあさりと★とさつまいもを加えて煮ていき、沸騰したら弱火にして8分ほど煮ます。
④あさりの殻が開いて野菜が柔らかくなっていれば出来上がり!
作り方のコツ
さつまいもは崩れやすいので混ぜすぎには注意してください!
お皿に盛り付けてからパセリや粉チーズを振りかけるのもおすすめです!
4-4.さつまいものアリゴとレバーステーキ風
レバーは鉄分と言えば1番に思い浮かぶ食材ではないでしょうか?
これをオシャレなフレンチ風にしてご紹介します!
材料(2人前)
≪さつまいものアリゴ≫
○さつまいも・・・1/2本
○片栗粉・・・40g
★とろけるチーズ・・・100g
★牛乳・・・150g
○バター・・・5g
≪レバーステーキ風≫
○レバー・・・100g
★赤ワイン・・・大さじ2
★醤油・・・大さじ1
★水・・・大さじ1
○水溶き片栗粉・・・少々
作り方の手順
≪さつまいものアリゴ≫
①さつまいもを洗い、皮をむき、ラップをして500W5分~10分加熱します。(竹串がすーと通ればOK)
②さつまいもをマッシュして片栗粉を混ぜる。
③鍋にバターを引き、★を煮ていき、チーズが溶けたら②を加えて練れば出来上がり!
≪レバーステーキ風≫
①フライパンに油を広げ塩コショウしておいたレバーを炒めて一旦さらに取り出す。
②同じフライパンに★を入れ軽く煮詰め、アルコールが飛んだら火からおろし水溶き片栗粉を加えてソースは出来上がり!
≪盛り付け≫
①さつまいものアリゴの上に焼いたレバーとソースを飾れば出来上がり!
作り方のコツ
さつまいものアリゴは冷めると固まってしまうので手早くレバーステーキを完成させるのがおいしく食べるためにおすすめです!
先に手順を確認して材料を用意しておくと簡単です!
4-5.さつまいもと牛肉のチンジャオロース
牛肉にも多く鉄分は含まれていますので、そんな牛肉とビタミンCを含んださつまいものレシピをご紹介いたします!
材料(3人分)
○さつまいも・・・1本
○牛肉こま切れ(豚肉でもOK)・・・300g
○ピーマン・・・4個
○しょうが・・・1かけ(みじん切り)
○片栗粉・・・適量
★しょうゆ・・・大さじ2
★オイスターソース・・・大さじ1
★砂糖・・・大さじ1
★酒・・・大さじ1
★水・・・大さじ1
作り方の手順
①さつまいもは皮ごとよく洗い、皮ごとスティック状にカットして10分間水にさらしておき、ピーマンも同様に細切りにする。
②牛肉は片栗粉をまぶしておく。
③熱したフライパンに油を入れ、さつまいもを入れ中火で炒める。油が全体になじんだらピーマンを加え炒める。
④大体火が通ったら一旦お皿に取り出し、同じフライパンに油をもう一度入れ、しょうがを炒めて香りがついたところで②の牛肉を炒め、★を合わせておく。
⑤牛肉に火が通ったら③を入れて★の調味料をよく絡めれば出来上がり!
作り方のコツ
さつまいもは薄く切りすぎるとボロボロになってしまうので、さつまいもを炒めるときは少し多めの油で揚げ焼きにすると崩れにくくなっておすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
鉄分が欠乏すると体へのいろんな影響があることが分かったのと、さつまいもには実は鉄分も含まれていることがわかりましたね!
食事から体のバランスを整えていくことで、日々の生活のパフォーマンス力が上がります!
ご紹介したレシピを是非お家でも試してみてください。
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