
掘ってそのまま寝かせておいたさつまいもは土がついており、洗ってから食べると思いますが、どうすれば綺麗に土を落とせるか知りたい方もいるのではないでしょうか。
また、さつまいもに付いている芽や黒く変色している蜜のような部分は洗っても落とせず、本当に食べても大丈夫なのか?そう不安に感じている方は必見です。
この記事では、土付きのさつまいもを洗う手順だけでなく洗う前に知っておいてほしいこと、泥を食べたときの対処法などについてご紹介しています。
目次
1.さつまいもを洗う前に知っておいてほしいこと
土付きのさつまいものは、表面の皮部分に毛や芽が生えていることがあります。
アルミホイルのような少し硬い素材での洗い方で表面が軽く擦られて、細かい毛は取れやすいですが、それでも残ってしまいます。
洗ってから1日以上おく場合は、さつまいも内部の栄養素が毛や芽が成長するために使われるため、パサついた食感になるだけでなく甘みが薄くなってしまいます。
洗ってすぐに食べる場合は、毒性もないため下処理しなくてもそのまま食べられますが、数日置く場合は下処理して美味しい状態を維持できるようにしてください。
それでは、さつまいもの毛(芽)の下処理について、さらに詳しくみていきましょう。
1-1.毛(芽)は下処理すべきか
ジャガイモには毒素の含んだ芽「ソラニン」がありますが、そもそもジャガイモとさつまいもは全く別の種類に分類されるため、さつまいもから芽が出ていたとしても、そのまま安心して食べることができます。
ただし、芽が出ると養分を吸い取られてしまい、さつまいもの表面がシワシワになってしまうので、そうなる前に処理することをおすすめします。ちなみに芽の部分もちゃんと食べることができます。
<さつまいもの芽についての詳しい情報や、芽を使ったレシピはこちら>
1-2 黒い部分は取るべきか
さつまいもの両端の切り口や表面、断面に現れる黒い部分。
この原因はヤラピン、クロロゲン酸、低温障害によるものです。
ヤラピンは便秘解消に役立つ栄養素が含まれており、さつまいもを半分に切ったとき断面に出てくる白い液体のことを指します。
クロロゲン酸はさつまいもに含まれるポリフェノールの一種で、アルカリ性のものに反応することで黒っぽい色や緑色に変色します。そしてさつまいもを低温で保管すると、その障害により黒く変色します。
ヤラピン、クロロゲン酸が原因で黒く変色している部分については食べても問題はありませんが、繊維質が多くて硬く感じたり、苦く感じたりするのであまりおすすめはできません。
低温障害により黒く変色してしまっている部分は傷んでいる証拠で、健康上は食べても問題はありませんが、味が落ちているので取り除いてあげましょう。
さつまいも表面にある黒い蜜のような成分はヤラピンですが、食べても問題ありません。
詳細は、こちらの関連記事をご覧ください。
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2.土が付いたままのさつまいもは洗う?洗わない?
土付きのさつまいもは、調理する直前までは洗いません。
理由は、水分に弱く水で洗ってしまうと1週間前後で傷んだり、腐ったりしてしまうためです。
調理して食べる前まで洗いませんが、そもそも洗わないで食べるとどうなるのでしょうか。
結論からいえば、土壌含まれるボツリヌス菌やセレウス菌、ジフテリア菌、破傷風菌などが体内に入り込み腹痛や下痢、嘔吐などの食中毒を引き起こしてしまう場合があります。
そのため、洗い方についても正しく理解しなければなりません。
それでは、さつまいもを食べる前に洗う理由や洗わないで食べたらどうなるのか、さらに詳しくみていきましょう。
2-1.調理する前に洗う理由
さつまいもを調理する前に洗う理由は、下記のとおりです。
- 食中毒の予防
- 土のザラつきを取り除く
- アクが抜けて美味しく食べられる
前述のとおり、土壌含まれるボツリヌス菌やセレウス菌、ジフテリア菌、破傷風菌によって食中毒を引き起こす危険性を取り除く意味でも洗う必要があります。
そもそも、土が付いたままだとザラザラして触感的にも美味しくありません。
また、水で洗って水に10分間以上浸しておけば、アクが抜けてさらに美味しくなります。
2-2.洗わないで食べるとどうなるのか
さつまいもを洗わないで食べると、根菜類の根元でよくみかける根粒菌が原因で、下表のような食中毒を引き起こす危険性があります。
根粒菌 | 主な症状 |
ボツリヌス菌 | 衰弱、疲労感、めまいなど |
セレウス菌 | 嘔吐、下痢など |
ジフテリア菌 | 発熱、のどの痛み、咳、呼吸困難など |
破傷風菌 | 筋肉の硬直、けいれんなど |
根粒菌は、水で洗い流せますが、完全に除去できるというわけではありません。
そのため、さつまいもを正しい洗い方で綺麗にしたとしても、生で食べると食中毒の危険性もあり注意が必要です。
口のなかに傷があると、例えば破傷風菌によって致死率約10~20%の破傷風を発症してしまう恐れもあるため、正しい洗い方と調理法でさつまいもを食べるようにしてください。
【参考資料】
2-3.土(泥)付きさつまいもを食べてしまったときの対処法
仮に土や泥の付いたさつまいもを食べてしまっても、体調に変化なければ特に何もする必要はありません。
吐き気や嘔吐、腹痛など何らかの異常がみられた場合は、すぐに医師の診断を受けるようにしてください。
3.さつまいもの正しい洗い方は?
さつまいもは、くしゃくしゃにしたアルミホイルや目の細かいメラニンスポンジ、毛の柔らかなブラシで洗うと綺麗に泥が取れます。
しかし、傷がつくこともあるため洗い方には注意しなければなりません。
さつまいもの正しい洗い方については、下記のとおりです。
- 手で表面の土(泥)や汚れを落とす
- スポンジ(たわし、キッチンペーパーなども可)で洗う
- 落ちにくい汚れはアルミホイルやブラシで擦る
- 水気を拭き取る
それでは、詳しくみていきましょう。
3-1.表面についた土や汚れを落とす
さつまいもの表面に土など汚れがついている場合は、手で擦って水洗いをしましょう。
時間がある場合は、前もって水に10分ほど浸しておくと、さつまいもの表面に付いた土などの汚れが浮き、手でこするだけでは落とせない芽の周辺や凸凹のある部分の皮をちゃんと残して、綺麗に落とすことができます。
3-2.スポンジで洗う
水に漬ける時間がない場合は、食器を洗うのによく使うスポンジを使いましょう。
さつまいもの皮は丈夫で意外と剥がれにくいので、スポンジであれば軽い力加減でこすってあげれば、上手く土などの汚れを落とすことができます。
もしもスポンジで洗うことに抵抗があるならたわしやキッチンペーパーを使いましょう。
ちなみに、くしゃくしゃにしたアルミホイルで擦っても、土(泥)や頑固な汚れが落ちやすいです。
3-3.強くこすり過ぎない
たわしなどを使って力強くこすり過ぎてしまうと、表面の赤い皮が破れてしまいます。
そうなると、皮付きで調理をする際に見栄えや仕上がりが悪くなります。
そしてさつまいもの皮にも栄養があるため、できるだけ綺麗な状態を保てるように優しく汚れを落としてあげましょう。
3-4.水洗いするなら早めに使い切る
畑から取ってきたばかりで土がついた状態のさつまいもは、水洗いをして泥を落としたくなりますが、一度水気がついてしまうと皮が傷つき、腐りやすくなるため長期保存には向いていません。
そのため、水洗いをするなら早めに使い切りましょう。
もしも水洗いをしてしまったら、さつまいもの表面をよく拭き、新聞紙に一本ずつ包んで日の当たらない・風通しの良い場所に保管しましょう。
4.スーパーに出荷されているさつまいもはどのような洗い方をされているの?
私たちが一般的によくみるスーパーに並んでいるさつまいもは、収穫後に工場で機械的に洗われています。
芋洗機やさつまいも洗浄機とも呼ばれており、ベルトコンベア式で水に浸されながら流れる洗い方です。
大まかな流れは、下記のとおりです。
- 畑から収穫する
- 水槽部分に収穫した土付きさつまいもを入れる
- ベルトコンベア部分に均一に並べる
- 水圧で土(泥)の汚れを落とす
洗ってから工場で乾燥、そして選別した後に箱詰めされてスーパーに出荷されます。
5.土付きさつまいもを洗った後の皮が汚い場合でも食べられる?
正しい洗い方でさつまいもを綺麗にしても、皮が黒ずんで汚い場合もあります。
その黒ずみはヤラピンやクロロゲン酸などの成分で、食べても問題ありません。
空気に触れることによって色が変色しただけです。
見た目が気になる方は、カットして取り除いてから食べるようにしてください。
土付きさつまいもを洗った後にみられる皮の黒ずみは、食べても問題ありません。
その理由の詳細については、こちらの関連記事で詳しく解説しています。
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まとめ
さつまいもは正しい洗い方を知っておくことでより美味しく食べることができます。
最初は手で擦って土や泥を落としたら、スポンジやアルミホイルなどで傷つけないよう注意を払いながら洗ってください。
ちなみに、洗っても取れないさつまいもの黒い部分はヤラピンが原因。ヤラピンがあるのは甘いさつまいもの証拠でもあります。
さつまいもを購入する際には、先端が黒いものを選ぶと甘くて美味しいさつまいもを食べることができます。
確かにさつまいもが黒く変色していると心配ですが、「黒い=カビ、腐っている」訳ではないので注意しましょう。
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