さつまいもの収穫時期・タイミングは葉や茎に注目!さつまいものさつまいもの収穫時期・タイミングについて解説

さつまいもの収穫時期・タイミングは葉や茎に注目!さつまいものさつまいもの収穫時期・タイミングについて解説

さつまいもの品種によって、美味しく収穫できる時期に違いがあります。

収穫時期も近づき、どのタイミングで収穫すればよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、さつまいもの品種別で収穫時期を解説しています。

最後まで読むと、さつまいもを美味しく収穫できる時期を知ることができます。ぜひ、最後までご覧ください。

1.【品種別】さつまいもの収穫時期

さつまいもは、大まかな収穫時期はあっても品種によってズレがあります。

そのため、それぞれの美味しく獲れるタイミングを品種別に理解しておかなければなりません。

ここでは、さつまいもの品種別に収穫時期を解説しています。

1-1.安納芋

安納芋の収穫時期は、9月下旬~12月上旬です。

甘みが増すタイミングは秋から冬にかけて、季節的にも寒くなる時期。葉の一部が枯れてきて、黄色く変化してきてから収穫しましょう。

安納芋

1-2.紅はるか

鹿児島県のような比較的暖かい地方では、10月に収穫する時期が適しているといわれています。

概ね、紅はるかの苗を植えてから120~140日が目安。葉が枯れはじめ、黄色く変化したら収穫するタイミングです。

葉が枯れはじめてきたということは、ビタミンやポリフェノール、ミネラルなどの栄養が塊根までいき届いているといえます。

収穫した直後は、晴天の日に13℃で2~3週間貯蔵した方が甘味が増して美味しくなりやすいです。

紅はるか

1-3.鳴門金時

鳴門金時は、9月~10月が収穫時期です。

概ね、苗を植えてから110~140日が目安で、茎や葉のツヤがなくなって緑色が薄くなりはじめたタイミングで収穫します。

その後、1〜3ヶ月経過すると糖度が上昇し甘くなります。

鳴門金時

1-4.シルクスイート

シルクスイートの収穫時期は、9月~10月の約1か月間で収穫し、8℃~13℃かつ湿度60%で寝かせると甘くなります。

気候変動にもよりますが、一般的な食べごろは11月~2月です。

葉がところどころ黄色く変化したら収穫しますが、試し掘りをしてみて芋が小さければまた土をかぶせて数週間見守ります。

収穫直後は粉っぽさがあるため、パサついた食感が苦手な方にはおすすめしません。

寝かせることで甘みやうま味が出てねっとりとした食感になり、美味しく召し上がれます。

シルクスイート

1-5.紅あずま

紅あずまの収穫時期は、9月~11月が目安です。

一般的には、苗を植えてから100~120日で収穫します。品種の特徴として、さつまいものなかでも大きく育ちすぎるため、収穫時期を超えないように注意しなければなりません。

収穫時期が近づいてくると緑色が薄くなり、黄色がかってきて枯れてきます。

紅あずま

1-6.高系 14号

高系 14号は、9月~11月の季節に収穫します。

さつまいものなかでも、貯蔵せずに甘みがあり、料理から焼酎まで幅広く使われています。ねっとりとした食感が特徴です。

2.さつまいもの収穫のタイミングは葉や茎に注目

さつまいもを収穫するタイミングは、葉先や茎の先端をみて判断します。

パッと見て黄色がかってきて、枯れ始めていることが目で見てわかるため、青々強い緑色が薄くなってきたら、収穫時期が近いと理解しましょう。

さつまいもの収穫時期について、葉や茎が枯れ始めてきたタイミングでの生育におけるメカニズムは、積算温度が関係します。

一般的な考え方として、平均気温の積算温度に一定の範囲があり、2,200℃~2,500℃で枯れ始めるといわれています。

苗を植え付けてから、概ね4ヶ月後で日数換算すると120~140日です。

3.さつまいも収穫までの3つのステップ

さつまいもは、根元から切って地上部の葉や茎をとりますが、収穫の邪魔になるためでもあります。

コツとしては、根元となる部分の周辺をスコップで掘って、土が柔らかくなってきたら軍手を着用して手で掘り直します。

さつまいもの周りの土を取り除いてサツマイモが見えてきたら、強く引き抜くのではなく、周囲の土を取り除きながら掘り出すイメージです。

ここでは、さつまいもを収穫するまでの一般的な流れについて解説しています。

ステップ1.収穫目安1ヶ月前に試し掘りを行う

さつまいもの収穫時期が近づいてきたら、1ヶ月前を目安に試し掘りをします。理由としては、ツルの成長やさつまいも自体の大きさを確認するためです。

収穫が早すぎると、熟していなかったり甘くならず、決してよい味とはいえなくなったりします。

紅あずまのような品種によっては、収穫時期を超えてしまうと大きくなりやすいさつまいももあるため、よく観察しておきましょう。

また、異常に成長しすぎて生い茂ってしまった状態でもある「つるぼけ」になっていないかも確認が必要です。

一般的に、つるぼけは土壌の有窒素成分が過多の状態に起因し、1度つるぼけしてしまうとなかなか元の美味しいさつまいもに育たなくなってしまうため注意しましょう。

ステップ2.収穫1週間前にツルを切る

さつまいもの収穫時期が、いよいよ1週間前に近づいてきたらツルを切ります。

理由は、追熟(ついじゅく)によって甘くするためです。

さつまいもの成分でもある澱粉(でんぷん)が糖に変化し、甘く美味しくなります。

ステップ3.収穫時期を迎えたさつまいもを掘る

収穫時期を迎えたら、いよいよさつまいもを掘っていきます。

さつまいもを掘るときのコツとしては、根元となる部分の周辺をシャベルやスコップで掘って、土が柔らかくなってきたら軍手を着用して手で掘り直します。

さつまいもの周りの土を取り除いてサツマイモが見えてきたら、強く引き抜くのではなく、周囲の土を手で取り除きながらさつまいもをグラグラと揺らしながら掘ると、きれいに抜けるようになります。

注意点は、さつまいもが近いにも関わらずシャベルやスコップで掘ってしまうとさつまいもを傷つけてしまうおそれがあるため、大まかな部分はシャベルやスコップで、細かい部分は手で掘るようにしましょう。

さつまいも 掘る

4.さつまいもを収穫するときは雨が降った日、雨が降ってから2,3日は収穫はしない

さつまいもの収穫時期でネックとなるタイミングといえば、雨や雪、多湿となる日です。

水分が大敵で、基本的には雨や雪が降った日は収穫できないと判断しましょう。

もし、水分が多い状態でさつまいもを収穫してしまうと、保存がしにくくなるだけでなく腐敗しやすくなってしまうため注意しなければなりません。

サツマイモを収穫するときは、土が乾いた状態を確認し、晴れた日が2~3日続くタイミングを選んでください。

5.収穫後のさつまいもは、正しく保存して追熟

さつまいもを収穫した後は、すぐに食べても甘みが薄くパサつきも残っており、残念ながら美味しいとはいえません。

収穫後は、品種別に適正な温度や湿度管理のもとで、正しく保存し追熟することをおすすめします。

秋から冬の季節でさつまいもを収穫する場合、追熟でおすすめの温度は13℃。湿度は60%を維持するようにしましょう。

さつまいものような澱粉を含む野菜は、追熟して糖分に変性させ甘みを引き出すことが農業における基本です。

鹿児島県のような暖かい地域では10月を収穫時期の目安としますが、北に行くほど気温や湿度も違い、早い地域では8月からはじめる場合もあります。

原則として、さつまいもを収穫したら2~3ヶ月追熟させてから余計な水分を飛ばすことで、あのほくほくした食感を生み出すのです。

収穫後のさつまいもの追熟に関しては、以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

さつまいもは熟成して甘くなる!簡単なさつまいもの熟成方法を解説

6.さつまいもの収穫に関するよくある質問

6-1.収穫が早すぎる/遅すぎるとどうなる?

さつまいもは、収穫が早すぎると当然育ちが悪く大きさも小さいです。

また、甘みが薄いだけでなく獲れる量も通年と比べて少なくなるため注意しなければなりません。

農業として成り立たせるためにも、一定の収穫量は必要です。

せっかく愛情を込めて育てても、さつまいも本来の甘味がなく小さいため、収穫量も伸びないことが懸念されます。   

一方で、さつまいもの収穫が遅すぎると、紅あずまのように大きくなりすぎて規格外品として扱われてしまい商品になりません。

また、形も崩れてしまい、亀裂や空洞が入って見た目にも悪いです。

甘味や風味も減り、繊維質が食感として残ってしまい、口にしたときにざらざらとして美味しくありません。

それに、保存性が低下してしまうところは致命的で、本来の美味しさが損なわれてしまいます。

6-2.植え付けた日から計算して収穫時期は考えられる?

さつまいもは、苗を植え付けた日から収穫時期を算出できます。前述のとおり、概ね4ヶ月後(120~140日)を目安にしましょう。

例えば、紅あずまのように9月~11月で収穫時期を迎える品種の場合、逆算して植え付け時期は5月~6月が理想です。

ただし、地温や気温、湿度などの外的要因によって収穫時期が10日~3週間前後ずれてしまう場合もあります。

基本的には、日当たりと水はけのよい環境であれば、土質をあまり選ばずさつまいもは上手く育ちます。

まとめ

今回は、さつまいもの収穫時期について、品種別に解説してきました。

秋の季節で収穫するのが一般的ですが、気温や土質、水質によっても10日~3週間前後タイミングがずれることもあります。

時期で判断することが難しい場合は、さつまいもの茎先や葉先が茶色がかってきたら収穫のサインとして捉えておきましょう。

ぜひ、本記事をさつまいもの収穫時期を知る参考にされてください。