
さつまいもは栄養が豊富です。代表的な栄養素といえば食物繊維ですが、他にもビタミンやミネラルがたくさん含まれています。
人間に欠かせないミネラルであるカリウムも豊富なさつまいも。
腎臓に疾患を抱えている人は、さつまいもに限らず食品に含まれているカリウムの量を気にしている人も多いのではないでしょうか。
今回は、さつまいもに含まれるカリウムの量や一日の目安摂取量、不足したときや摂りすぎたときに現れる症状などをくわしく解説します。
目次
1.健康におけるカリウムの役割
カリウムは人間にとって必須であるミネラルの一つ。カリウムは細胞の浸透圧を調整する役割を担っています。
また、酸塩基平衡(酸性物質とアルカリ性物質のバランス)の維持や神経伝達、心臓・筋肉機能の調節などもカリウムがかかわっています。
日本人はナトリウム(塩分)の摂取が多い傾向がありますが、カリウムはナトリウムを体外に排出させる働きも。ナトリウムの排出により血圧を下げる効果があるとされています。
カリウムは普通に食事を摂っていれば不足することはほとんどありませんが、嘔吐や下痢などの体調不良や薬の副作用で不足することがあります。
カリウムはさつまいもの他に、アボカドやほうれん草、人参・海藻類などにも多く含まれている栄養素です。
2.さつまいもに含まれているカリウムの量
さつまいもに含まれているカリウムの量は、生の状態では100gあたり480mgですが、調理方法や食べ方によって変わってきます。
カリウムは水にさらしたり、茹でたりすると減る傾向があるので、摂取したい量に合わせて調理方法を検討してみてください。
調理方法 | 可食部100gあたりのカリウム含有量 |
蒸し(皮なし) | 480mg |
蒸し(皮あり) | 390mg |
焼き(皮なし) | 540mg |
天ぷら(皮つき) | 380mg |
(出典元:日本食品標準成分表)
3.カリウムの1日の摂取基準量
一日の摂取目安量は、成人男性で2,500mg、成人女性で2,000mgです。
生活習慣病予防のために摂取したい目標量は、18歳以上男性で3,000mg以上、18歳以上女性で2,600mg以上となっています。
人工透析患者など腎臓に疾患を抱えている場合は、カリウムの摂取量を抑える必要があるので、医師などの専門家に相談しましょう。
4.カリウムが不足/過剰摂取するとどうなる?
4-1.カリウムが不足するとどうなる?
カリウムは先ほどもご説明のとおり、さまざまな食品に含まれているので、普通に食事を摂っていれば不足することはほとんどありません。
しかし、体調不良や薬などの影響でカリウムが不足することはあります。カリウムが不足すると、食欲不振や気力が出ない、筋力が低下する・骨格筋の麻痺などの症状が現れます。
4-2.カリウムを過剰摂取するとどうなる?
普通に食事をしていれば十分な量を摂取できるカリウムですが、過剰摂取してしまうことはないのか心配ですよね。
腎臓の機能が正常で、カリウムのサプリメントなどを摂取していなければ、過剰に摂取する可能性は低いです。
腎機能が正常であれば、カリウムは尿中から排出されるからです。一方、腎不全など腎機能が低下するとうまく排出できず、高カリウム血症になる可能性があります。
筋収縮調整ができなくなる影響で四肢のしびれ、心機能の異常などが起こり、重篤な場合には心停止の恐れもあるといわれています。
まとめ
さつまいもに豊富に含まれるカリウムは、ナトリウムの排出を促進し、体内のバランスを保ってくれる栄養素です。
さつまいも以外にもさまざまな食材に含まれているため、不足することは滅多にありませんが、適量摂取できるように心がけるといいでしょう。
腎機能が低下している場合は、カリウムの摂取量に気をつけなくてはいけないため、食物繊維やビタミンCなど他の栄養が摂りたいと思っても、さつまいもの食べ過ぎには注意してくださいね。
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